【宇宙】JAXA 月面探査機「SLIM」打ち上げ!ミッションは月の起源の調査?

成功すれば日本初となる月面着陸となる小型探査機「SLIM」の打ち上げが、8/26に予定されています。
これまで、月周回衛星「かぐや」による月調査を実施していたJAXAですが、月面でなにを調査するの?と思われている方もいるかもしれません。

今回打ち上げる「SLIM」は「月の起源を探る」ことが最大のミッションとされています。

過去に月面開発に関する記事を投稿しているので、こちらもご覧ください。

8/23インドの無人探査機が初の月面着陸を成功させたことがニュースとなりました。 実は今、各国で月面開発がブームになっています。アメリカやロシア、日本も月に関するあらゆる計画を発表しています。

月の起源を探る

月の探査が進んでいる現在でも、月の起源は解明されておらず、これまで様々な説が唱えられてきました。
近年、最も有力とされている説は「巨大衝突説(ジャイアントインパクト)」です。
誕生してまもない原始地球に巨大な天体が衝突したことで、衝撃で飛び散った地球と天体のマントル物質が集まり、月を形成したとする説です。
この説が正しい場合、月のマントルは地球と似た組成であることになりますが、月の表面の地殻を掘り進めマントルまで到達しなければ調査ができないため、これまで説の実証がされていませんでした。

そんな中、JAXAの月周回衛星「かぐや」により、クレーター近くにマントル由来と考えられる物質の露出している地点が発見されたのです。
マントルの採掘をすることなく月内部の構造を分析することが出来るので、「SLIM」はマントル物質が露出している地点へのピンポイント着陸を目指しています。

「SLIM」のピンポイント着陸技術

これまでの多くの探査機は、「着陸できるところに着陸」してきましたが、今回「SLIM」では「着陸したいところに着陸する」というミッションもあります。

近年の月面探査では、調査の目的がはっきりした上で、探査機が打ち上げられます。
日本はクレーター斜面で発見されたマントル物質(カンラン石)の調査のため。
インド初の月面着陸が話題となった探査機「チャンドラヤーン3号」は、氷の存在を確認するため月の南極付近に着陸しています。
しかし、8/21にロシアが打ち上げた「ルナ25号」は、南極付近への着陸に失敗しており、成功したインドも、実は1度は着陸に失敗しています。
世界的に見ても、狙った地点へ着陸させることはまだまだ成功率が高くない状況のようです。


「SLIM」により、調査対象の近くへのピンポイント着陸が技術的に確立されれば、日本だけでなく世界の宇宙開発に応用されることになるかもしれません。

月面開発だけでなく、より遠くの天体への調査にむけたステップとなりそうです。

これまで謎とされてきた月の起源が解明されるかもしれない探査なんて、ロマンがありますね。「SLIM」計画の完了後も、JAXAの月面探査計画は続いています。
2024年以降は、別な探査機を月の南極付近へ着陸させ、インドとともに南極の氷の重量を調査する計画が進められていますし、
日本も協力しているNASAのアルテミス計画では、日本人宇宙飛行士の搭乗も期待されています。

JAXAなど日本企業による月への有人探査機が打ち上げられる日も近いかもしれません。

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