8/23インドの無人探査機が初の月面着陸を成功させたことがニュースとなりました。
実は今、各国で月面開発がブームになっていることはご存知でしょうか。
アメリカやロシア、中国などが次に関するあらゆる計画を発表しています。
なぜ今、月がブームに?
各国がたまたま同じ時期に、月に行きたくなった訳ではありません。
きっかけは、インドの探査機「チャンドラヤーン1号」が収集した月面データです。
チャンドラヤーン1号は2008年に打ち上げられ、2年間にわたって衛星軌道を周回しました。そのデータを分析すると、月面に水が存在していることが確定づけられました。
それまで、月には水が存在しないと考えられていましたので、この発表は世界的に衝撃的でした。
月面で水が存在しているのであれば、地球から調達する必要はなくなりますし
宇宙開発の効率が飛躍的にアップします。
これを機に、各国が宇宙開発の拠点づくりを視野に月面調査・開発を加速させていきます。
インド初の月面着陸 「チャンドラヤーン3号」
「チャンドラヤーン3号」による月の南極付近への着陸は、世界初の快挙でもありました。
8/21にロシアも「ルナ25号」を打ち上げ、南極付近への着陸を試みていますが失敗に終わっています。
同様のプロジェクトが2日違いで行われていることからも、月面開発の加熱ぶりが見てとれます。
両国が同じ地点への着陸に挑戦したのは、月の南極には水が氷の状態で存在する可能性が指摘されているためです。
氷の存在を確認することが、「チャンドラヤーン3号」の重大ミッションと言えるでしょう。
日本の月面探査機「SLIM」
日本で初めての月面着陸を目指す「SLIM」の打ち上げが、JAXAにより8/26に行われます。
「SLIM」には月面への着陸において、2つのミッションがあります。
1つ目は、狙った地点へのピンポイント着陸。
2つ目は、軽量な小型探査機の着陸です。
この着陸ミッションを達成することで、太陽系探査のために将来的に必要となる技術基盤を得るという狙いがあります。
「SLIM」は月軌道上でクレーターなどの地形の情報を収集・識別して探査機の位置を把握した後、目的地への着陸に移るため、実際の着陸には打ち上げから4〜6ヶ月後になる予定です。
また日本は、2024年度以降に別の探査機を月の南極に着陸させ、氷の量などを調査する計画をインドと共に進めています。
アメリカの月面基地計画「アルテミス計画」
アポロ計画により人類初の月面着陸を成し遂げたNASAによる、次の月面開発計画です。
2024年にアルテミス3号の打ち上げを計画しており、こちらも月の南極付近への着陸を予定しています。
アルテミス計画の目的は、持続可能な有人月探査です。
宇宙開発の月面拠点として、民間企業が月で経済活動を行えるレベルを目指しており、最終的には、有人火星探査の足がかりとする構想です。
アルテミス計画には、日本や欧州が協力していますし、日本の宇宙飛行士が月面に降り立つ日も近いかもしれません。